VC ATTACK LIST
マッチングロジック解説書
起業家の皆様、および掲載VC各位へ
はじめに
本書は、HAKOBUNEが提供する「VCアタックリスト自動生成システム」のマッチングロジックを、ご利用いただく起業家の皆様、およびアタックリストに掲載されるVC各位にご説明するための資料です。
私たちは「透明性のあるマッチング」を信念としており、どのような観点でVC候補を選定しているかを公開することで、ご利用者の皆様からの信頼を獲得し、投資家コミュニティとの健全な関係構築を目指しています。
起業家の皆様は「自分の事業にマッチするVCがなぜ選ばれたのか」を、VC各位は「自分たちのファンドが掲載された根拠」を、本書を通じてご理解いただけるよう構成しています。
1. システム概要
起業家がフォームから事業情報(企業名、事業説明、ステージ)を入力すると、AIが事業内容を構造化し、国内8,000社超のスタートアップ資金調達データベースから最適なVC候補を自動的に抽出・スコアリングしてPDFレポートとしてメールでお届けします。
処理パイプライン
| Step | 処理内容 |
|---|---|
| ① 入力受付 | フォーム経由でテキスト・PDFを受信 |
| ② 事業プロファイル構造化 | LLMを用いて事業内容を業界・ステージ・ビジネスモデル等の構造データに変換 |
| ③ VC候補抽出 | 業界・ステージ・事業内容の3つの観点から8,000社超のデータベースを横断検索 |
| ④ 5軸スコアリング | 5つの評価軸でVC候補を100点満点で評価 |
| ⑤ レポート生成 | VCタイプ別に分類し、参考投資先とともにPDFとして出力 |
| ⑥ メール送信 | 起業家にPDFをGmail経由で送付 |
2. 事業プロファイル構造化
フォームに入力された事業説明をLLM(Claude)に渡し、構造化されたプロファイルJSONに変換します。業界タグ・ステージ・ビジネスモデル・創業者背景などを抽出し、後続のマッチングの入力とします。
ここが全ての起点であり、LLMによる事業理解の精度がマッチング品質を決定します。
業界タグ体系
業界タグは複数の主要クラスタに分類し、クラスタ間の隣接関係を定義しています。これにより「直接一致」「同クラスタ」「クロスクラスタ」の3階層でマッチング精度を制御します。
| クラスタ | 含まれる業界例 |
|---|---|
| AI/Data | 人工知能・機械学習・生成AI、ビッグデータ |
| Enterprise | SaaS、業務効率化、ローコード/ノーコード |
| Healthcare | 医療テック、ヘルステック、バイオ |
| DeepTech | ディープテック、量子、宇宙 |
| GreenTech | クリーンテック、サステナビリティ |
| その他 | Finance, Hardware, Mobility, Media, HR/Edu 等 |
3. VC候補の検索方法
単一の検索基準では見落としが発生するため、複数の異なる視点で並列に検索し、結果を統合する方式を採用しています。これにより、異なる観点で評価されるべき投資家を網羅的にカバーします。
| 検索の視点 | 目的 |
|---|---|
| 業界タグ検索(主力) | 対象業界および同クラスタ業界への投資実績を持つVCを抽出 |
| クロスクラスタ検索 | 隣接領域で活発なVCを補完的に抽出(例: ヘルスケア×AI) |
| ポートフォリオ全文検索 | 業界タグでは拾えない事業特性キーワードで関連VCを発見 |
| アカデミア検索 | 大学発スタートアップの場合、研究機関系VCを追加 |
| 詳細エンリッチ | 各候補VCのポートフォリオ詳細を取得し、候補データを補完 |
小規模ファンドの救済
上記の主要検索に引っかからなくても、対象業界への投資実績を一定数以上お持ちの投資家は「domain_floor」として候補に追加されます。これにより、規模は小さくても対象領域に強いファンドを見逃さない設計としています。
事業会社・CVC系の掲載基準
事業会社・CVC系の投資家については、スタートアップへの投資実績が2件以上ある先のみを候補対象としています。これにより、一度限りの出資にとどまる事業会社を除外し、継続的にスタートアップ投資を行っている先のみをご紹介する設計としています。
4. 5軸スコアリング
各VC候補を5つの独立した軸で評価し、重み付き合計で100点満点のスコアを算出します。業種適合とステージ適合を主軸に、シナジー・投資活動・ネットワークを補助的な評価として組み込むことで、多角的な適合度判定を実現しています。
| 評価軸 | 重み | 評価内容 |
|---|---|---|
| 業種適合 | 25% | 対象業界への投資実績の深さ。直接投資実績だけでなく、同じ技術領域・隣接領域への投資も評価対象 |
| ステージ適合 | 25% | スタートアップの資金調達ステージに合った投資実績があるか |
| ポートフォリオシナジー | 20% | 投資先企業の事業内容と対象企業との類似度 |
| 投資活動 | 15% | 直近の投資活動の活発さ(全候補内での相対評価) |
| ネットワーク・接点 | 15% | 大学・研究機関との連携の有無 |
業種適合の考え方
「投資実績があること」そのものを重要なシグナルとして評価します。直接一致・同クラスタ・クロスクラスタの3階層で基礎点を与えた上で、投資件数のボリューム、業界集中度、直近の活動有無をボーナス加点として加算します。
この設計により、「対象領域に1件でも投資実績があるVC」は高く評価される一方、「同じ領域に継続的・集中的に投資しているVC」はさらに高評価となります。
ステージ適合の考え方
対象ステージとの距離(完全一致/隣接/遠い)で段階的にスコアリングします。ベストマッチ方式を採用しており、Seed〜SeriesBまで幅広く投資するVCが、Seedステージ対象の評価で「Bに投資しているから」という理由で減点されることはありません。
ポートフォリオシナジー
統計的な類似度計算(TF-IDFコサイン類似度)により、対象企業の事業内容と各VCのポートフォリオ説明文全体の類似度を評価します。日本語対応のため文字n-gramベースの特徴抽出を採用しています。
5. 参考投資先の選定
レポートに表示される各VCの「参考投資先」3社は、対象企業との関連度で動的に選定されます。VCのポートフォリオをそのまま時系列順に並べるのではなく、起業家の事業に最も関連する投資先を上位に表示することで、レポートの文脈理解を助けます。
ハイブリッド選定方式
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| キーワード重複スコア | プロファイルの業界タグ・検索キーワードがポートフォリオ企業の説明文に含まれるかを評価 |
| TF-IDFコサイン類似度 | 全ポートフォリオでコーパスを形成し、各企業との文書類似度を統計的に計算 |
2つのスコアの重み付け合計で最終ランキングを決定しています。キーワード重複(意味的一致)を主軸に、統計的類似度(文体・文脈一致)で補完する設計です。
【VC各位へ】参考投資先として掲載される3社は、対象起業家の事業に最も近いと判定されたポートフォリオ企業です。貴社の投資領域を反映する代表例として起業家に伝わる設計となっています。
6. HAKOBUNE投資テーマとのマッチング
本システムは、HAKOBUNEが独立系VCとして掲げる3つの投資テーマとの適合性も自動判定し、レポート上で明示します。これにより、HAKOBUNE自身の関心領域と対象企業の事業との接点を明確にします。
| テーマ | 概要 |
|---|---|
| DX・AI | デジタルトランスフォーメーション、人工知能、生成AI領域 |
| GX | 脱炭素、エネルギー、サステナビリティ領域 |
| Japan Culture to Global | 日本発のコンテンツ・文化の世界展開 |
7. データソースと運用
| データソース | 国内スタートアップ資金調達データ(公開プレスリリースベース) |
|---|---|
| 総レコード数 | 7,453ラウンド、2,793投資家、3,977企業(2026年4月時点) |
| 更新頻度 | 週次で自動同期 |
| データ品質 | 名称変更や重複を検知し、日次でクリーンアップ運用 |
データの修正・削除のお申し出について
公開プレスリリースを元にデータベースを構築しているため、誤情報や最新でない情報が含まれる可能性があります。掲載情報の修正・削除のご依頼は、下記の連絡先までお知らせください。速やかに対応いたします。
8. 本レポートの位置づけ
起業家の皆様へ
本レポートはあくまでデータベースに基づく自動マッチングの結果であり、実際の投資判断は各VCの独自の基準・タイミング・関心領域により異なります。本レポートは初期スクリーニングの参考としてご活用いただき、個別のコンタクトを通じて詳細をご確認ください。
また、本レポートは無料でご提供しており、HAKOBUNEへの投資応募等を前提とするものではありません。
掲載VC各位へ
本システムは貴社に対する商業的・営業的な評価を意図したものではなく、公開情報をベースに、起業家にとって接触候補となり得るVCを客観的に提示することを目的としています。
貴社のファンドが対象起業家の事業領域・ステージと一致していると判定された場合に掲載しており、掲載自体がHAKOBUNEからの推薦や保証を意味するものではありません。
掲載情報の修正・削除のご要望、またはマッチングロジックへのご意見等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
HAKOBUNE Inc.
Email: kurishima@hkbn.vc
Web: hkbn.vc Form: form.hkbn.vc